You are currently viewing FLASHFORGEさんの乾燥剤『エクストリームZERO』のテスターになりました
  • 投稿カテゴリー:-- 3Dプリンター
  • 投稿の最終変更日:2020-09-06

夏ですね。最近の私はエアコンの効いた部屋に引きこもり、厳しい暑さからも不快な湿度からも思いっきり逃げた生活を送っています。そんなわけで私は快適に生活させてもらっているのですが、この湿度というのが「こうかは ばつぐんだ!」で天敵なモノが私の家にあります。それは………3Dプリンターのフィラメントくんです!

…と、無駄な前置きは置いといて、3Dプリンターは湿気に弱いそうです。特にPLAでは顕著のようで、湿気にやられてしまうと、表面の凸凹や糸引き、反りの原因になってしまうそうです。そんなわけで世の3Dプリンターユーザは様々な方法で湿気対策をしているという状況なのです。私も見様見真似で簡易ながら湿気対策をしていましたが、正直だんだん印刷の精度は落ちてしまっているのを感じていました。

そんな時、私が使用しているFinderの販売元であるFLASHFORGEさんが乾燥剤を新発売するとの情報を得ました。さらにはその新商品のテスターを募集しているとのことで…早速応募、抽選を経て運良くテスターに当選しました! そこで今回は新発売されるという乾燥剤の効果を試してみつつ湿気対策環境を改善していきたいと思います!

これまでのフィラメント保存環境

ネットで調べてみると色々な湿気対策が出てきます。タッパーや袋に乾燥剤と一緒に入れてみたり、真空にしてみたり専用のボックスを活用してみたり、専用ボックスを自作してみたり…。費用も100円ショップで揃えている方や1万円を超える専用ボックスを活用していたりと人それぞれです。

そんな中私がやっていたのは、普通の収納ボックスに普通の乾燥剤とフィラメントを入れるだけ…という方法でした。ちなみに使用していた収納ボックスは以下のモノです (収納ボックスとしては普通に使いやすいのでおすすめしておきます。)

こちらの収納ボックスは5リールほど入るため良いサイズ感ではあったのですが、先程も書いたとおり時間が経つに連れだんだん印刷の精度が落ちていました。このボックスは密閉されるものではないので、蓋の隙間から湿気が簡単に侵入できてしまいます。その結果フィラメントがだんだん吸湿してしまい、精度が落ちていく…。

この方法では湿気のダメージを減らすことはできても、完全に防ぐことはできませんでした。乾燥剤をめちゃくちゃ高頻度でお世話していれば結果も変わったかもしれませんが、私にはできませんでした。

改善したフィラメント保存環境

まず私の環境の最大の問題点は収納ボックスにあると思います。そこで今回、湿気をシャットアウトしてくれる系の箱に変更しようと思いました。すでに開封済みのフィラメントたち(5リール)を全て入ることを必須条件に探してみたところ下記のドライボックスにたどり着きました。

こちらの大きさでおそらく7本くらいのフィラメントが収納できると思います。また、湿度計も付属しているため、湿度のモニタリングも可能になりました!正直実力は未知数ですが、これからはこちらを使っていきます。

そして次に改善するのが…乾燥剤です。これまで100均やら通販やらで色々な乾燥剤を試していました。しかしそれらでは湿気の攻撃を耐え抜くことはできませんでした。

5パック入り!

そこで登場するのが今回の主役である『エクストリームZERO』です。こちらはフィラメント用、「強力」を謳っている商品になるようで、期待せずにはいられません。ネットで調べてみると一度吸湿したフィラメントの印刷精度は普通の乾燥剤では戻すことはできないと書かれています。しかし、こちらは一緒に入れることで、印刷精度を改善することができるとのことで、今回は時間経過とともに確認してみたいと思います。

プリントテスト

方法

プリントの精度確認には下記のモデルをお借りして実施したいと思います。こちらはおしゃれなチェス駒 (ポーンを印刷します!) なのですが、最近印刷していて糸引きが気になっていたので、印刷中に空中に浮く部分があるようなモデルにしました。

このモデルを乾燥前, 乾燥後のそれぞれで印刷し、印刷の精度変化を確認します。ちなみに、使用中のフィラメントの乾燥を行う場合はすでに吸湿している分の乾燥のため5~8時間程度の時間が必要になるそうです。そのため今回はそれ以上の時間乾燥してテストしようと思います。

結果

というわけで、早速印刷してみました。結果はこちらです。左側は乾燥前のもので、右側は24時間乾燥したものです。

正面 (左: 乾燥前 右: 乾燥後)
底面 (左: 乾燥前 右:乾燥後)

写真ではわかりにくい部分もありますが、結論から書きますとだいぶ精度が改善しました。気になっていた糸引きは見える分3本から1本に減少し、ねじれている部分の凹の数や深さもだいぶ減りました。特に底面を見ていただけると分かりやすいかと思いますが、乾燥前は凸凹して荒い感じでした。しかし乾燥後は少し凸凹が残っているものの、だいぶなめらかになっています。

今回はそれぞれの段階で1個ずつしか印刷していないため、糸引きの本数などは偶然改善した可能性もありますが、底面を見る限りでは改善に向かっていると思います。

まとめ

というわけで今回はフィラメント保存環境を改善しつつ、新乾燥剤のテストを行いました。結果は良好で印刷の精度は改善に向かっていると思います。この記事を書いている時点ではこの乾燥材の販売はまだ始まっていません。しかし今回の結果を見る限り、販売が開始されれば私は迷わず購入しそうというのが素直な感想です。

今回使用したフィラメントは簡易的な湿気対策をしていたとはいえだいぶ吸湿していると思います。そこでより時間が経った時、どこまで精度が改善するか追加でテストしていきたいと思います!あとはどのくらいの間 湿気と戦ってくれるかも確認したいですね…。

完全に余談なのですが、この記事を書く前にMacBookのバッテリーを換装する記事を書いていました。そのせいで、今回の乾燥の記事を書いていると予測変換で換装と乾燥が誤変換されてしまい、直すのがめんどくさかったです。特に乾燥の感想を書く部分などは乾燥と感想と乾燥がかぶって大変でした。というわけでよかったら換装の方も読んでいただけると幸いです。

追記 販売開始されました (2020/09/05)

今回レビューした乾燥材が公式ショップで販売開始されましたのでこちらでも紹介しておきます!お値段は税込み1,100円です。100均商品で湿気対策していた方には、常用するのに迷う金額かもしれませんが、湿気を吸ってしまっているフィラメントをある程度復活できると考えるといざというときに集中して…と使っていくといいのではないでしょうか。まだテスターとしていただいたものが残っているので、私はそのうち必要になったら買おうと思います。1袋でどれくらい持つかは要検証ですね。